Medical Treatment Guide
インフルエンザは、大変伝染力の強いウイルス性の呼吸器感染症です。
よくみられる症状は、39℃以上の発熱や震え、頭痛などのほか、
痰のあまりでない咳(乾性咳嗽)、筋肉痛や関節痛などが挙げられます。
ヒトからヒトへ簡単にうつり、感染が広がります。
感染している人が咳やくしゃみをすることで、ウイルスがばらまかれます。
インフルエンザウイルスに感染すると、通常では2~4日で症状が急に現れます。
症状が現れてから4日間程度が人にうつす可能性のある時期とされています。
抵抗力の弱い人は、インフルエンザで命を落とす可能性があります。
以下のような方(ハイリスクグループ)には、
インフルエンザのワクチン接種を強くお勧めします。
日本でのインフルエンザの流行期は12月下旬から翌年3月初めまでのことが多いです。
ワクチン接種から効果が十分にみられるまでには2週間程度かかりますので、
11月までにワクチン接種を済ませておくのが理想です。
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変え、毎年異なるタイプのインフルエンザが
流行します。
その年に流行するインフルエンザウイルスのタイプの予想し、
それに対して毎年夏からワクチンが作られます。
その年ごとの予想にあわせた予防接種を毎年行う必要があります。
静岡市では、高齢者インフルエンザ予防接種事業が行われ、助成があります。
詳細は静岡市のHPをご覧ください(https://www.city.shizuoka.lg.jp/388_000089.html)
肺炎はがんや心疾患などにつづいて、日本における死因の第5位であり、
96%以上が65歳以上の高齢者です。
原因菌のなかでは「肺炎球菌」が主役で、最も頻度が高いことが広くしられています。
そのため高齢者の肺炎予防に肺炎球菌ワクチンが大きく役立つことが期待されています。
肺炎球菌ワクチンには、
23価多糖体ワクチン(PPV23:ニューモバックス)と
13価結合型ワクチン(PCV13:プレベナー13)があります。
日本ではどちらのワクチンも65歳以上の高齢者に接種可能です。現在PPV23は定期接種、PCV13は任意接種です。
肺炎球菌には莢膜というバリアがあり、90種類以上のタイプ(莢膜型)があります。
ニューモバックスは、感染を起こすことの多い23種類の莢膜の成分が含まれています。
ワクチンに細菌そのものは含まれていないため、ワクチンによる感染のリスクはありません。
ワクチンを接種すると、免疫に関連する細胞が、23種類の莢膜に対する抗体を作ります。
一度つくられた抗体は5年以上効果が続きますが、だんだんと低下していきます。
そのため5年に1回の定期接種となり、最初の1回については公費での助成が受けられます。
プレベナーは13種類の莢膜の成分が含まれており、
免疫が作られにくい乳幼児であっても免疫を獲得しやすい工夫がなされています。
1度打つと終生効果が持続しますので、生涯で1回の接種となります。
従来小児に使用されていたプレベナーは2014年6月から65歳以上の方にも自費で接種できるようになりました。
どちらを優先すべきか、打つタイミングはどうすればよいのか、実は詳しく知らない医療者も少なくありません。
当院では呼吸器内科の専門性をいかして、公費助成も効率よく使いながら、
2種類のワクチンを最も効果的に打てるように提案します。
静岡市の高齢者用肺炎球菌予防接種はこちら(https://www.city.shizuoka.lg.jp/000_006615.html)
下記のいずれかに当てはまる方は肺炎球菌ワクチンの接種をおすすめします。
慢性呼吸器疾患(COPDなど)、糖尿病、喫煙者、心疾患、腎不全、肝疾患、血液悪性腫瘍を
お持ちの方など。
脾臓を摘出した方は、感染した場合に重症化しますので必ず受けてください。
*公費助成で自己負担金 4,820円となります。
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