院長コラム

Director's column

2025年の花粉症に正しく備える!

今年もやってきました。花粉症のシーズンです。今年もそろそろ花粉が飛び始めています。花粉症にしっかり備えて立ち向かいましょう!

Q.朝ひどい?夜ひどい?時間帯別の準備のしかた!

花粉症の症状は朝と夜で違いがあります。朝起きた瞬間にくしゃみや鼻水が止まらなくなる現象を「モーニングアタック」と呼ぶこともあります。これには自律神経の働きが一因となっていると言われています。眠っている間は副交感神経が優位になりますが,朝になると交感神経へと切り替わるため鼻の粘膜が過敏になり,くしゃみや鼻水が出やすくなるというメカニズムです。

さらに花粉症の症状出現に大きな関与をしているマスト細胞は,1日のうちでアレルギー反応の強さを時間によって決めているという報告もあります。

また環境の要因も指摘されています。夜の間に布団や床に落ちた花粉が朝に舞い上がり、それを吸い込むことが症状を悪化させる原因になります。

 

一方夜に花粉症がひどくなるのは,日中に髪や衣服に付着した花粉を家の中に持ち込んでしまうことが理由のひとつと言えるでしょう。さらに人によっては,朝に飲んだ薬の効果が切れる時間帯でもあるため,症状が再び強くなりやすくなるということも考えられます。

このように花粉症の症状が朝と夜で異なるのは,外部からの花粉の影響だけでなく,体の仕組みや薬の効果の持続時間も関係しているといえます。

朝と夜で症状の出方が違う場合にはそれぞれの時間帯に合わせた対策が必要です。朝の対策として最も大切なのは,寝室の花粉を減らすことです。布団や枕カバーをこまめに洗うことが重要です。この時期は室内乾燥機を使うのもよいでしょう。外干しする場合は花粉をしっかり払ってから室内に取り込みましょう。

また起きたらすぐに洗顔やうがいをして,顔や鼻についた花粉を落とすのも効果的です。生理食塩水による鼻うがいをすると寝ている間に鼻の粘膜に付着した花粉を洗い流すことができるので,朝のくしゃみや鼻水が楽になります。高性能の空気清浄機を寝室に置いておくのもよいでしょう。

夜にむけた対策としては,家に入る前に衣服をたたいて家の中に花粉を持ち込まないこと,また家に入ったらすぐに衣服を着替え,できればシャワーを浴びて髪や肌についた花粉を洗い流すことが重要です。ソファや寝具の上に外出着のまま座らないようにするだけでも花粉を持ち込む量を減らせます。

部屋の換気はできるだけ短時間で済ませ,窓を開ける時間をあまり長くしないように注意しましょう。できるだけ外からの花粉の侵入を防ぐのが大切です。

薬の効果が切れる夜に症状がひどくなる場合は,医師の指示のもとで適切なタイミングで服薬を調整することも大切です。

 

Q.目薬の選び方って,どうすればいいの?“効く”目薬と正しい使い方

花粉症による目のかゆみには目薬が欠かせません。しかし目薬にはさまざまな種類があり,用途によって適したものを選ぶ必要があります。市販の目薬の多くは,かゆみを抑える「抗ヒスタミン薬」が含まれていますが重症の場合は効果が不十分なこともあります。

処方薬には市販のものより強力な抗ヒスタミン成分が含まれるものや,炎症を抑えるステロイド点眼薬などもあり,より確実に症状を抑えられます。

最近では目の周りに塗るだけで目薬と同じような効果が得られる「アレジオン眼瞼クリーム」という薬も登場しました。1日1回塗るだけでかゆみを抑えることができます。点眼が苦手な人や,外出中にこまめに目薬をさすのが難しい人には便利な選択肢でしょう。

目薬の効果を最大限に引き出すためには正しい使い方が重要です。まず目薬の使用量は医師から指示された量を用いるようにしましょう。通常は1回に1滴で十分です。多くさしても効果が増すわけではありません。コンタクトレンズを使用している場合はコンタクトの上から点眼できるタイプの目薬を選びましょう。

Q市販薬vs.処方薬って,どっちが効くの?

花粉症の薬には大きく分けて抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,ステロイド点鼻薬の3種類があります。抗ヒスタミン薬はくしゃみや鼻水を抑える効果があり,市販でも購入できます。処方薬と全く同じ成分が含まれているものもあります。

過去に花粉症と診断されており,市販薬で効果実感が得られて,副作用を自覚することがなければ,医療機関を受診せずに市販薬で対応することは便利で有効な方法といえます。

処方薬には市販薬では売っていない抗ヒスタミン薬があります。例えばビラノアやデザレックスといった抗ヒスタミン薬は,眠気が少なく,効果も期待できるとされています。さらに鼻づまりがひどい場合は抗ロイコトリエン薬が有効ですがこれは医師の処方が必要です。喘息の治療薬でもあります。花粉症の時期には喘息が悪化することも多く,抗ロイコトリエン拮抗薬が併用されることも少なくありません。

またステロイド点鼻薬は鼻炎の症状全般に強力な効果を発揮するので,ぜひ第一選択薬として使用してほしい薬です。ひとつ注意してほしいこととして,市販で購入できる点鼻薬の中には血管収縮剤が含まれるものが多いという点を挙げておきます。血管収縮剤を含む点鼻薬は即効性があり,効果実感の切れ味がよいため患者さんに好まれますが,一方で効果時間が短く乱用につながりやすい薬ともいえます。使いすぎると鼻炎症状が悪化し「薬剤性鼻炎」を起こすことが知られています。あくまで緊急避難的に短期間の使用にとどめることが重要で,これをメインの治療薬にはしないでください。

薬の服用タイミングはとても重要です。1日1回の薬は朝に飲むのが基本ですが1日2回服用するタイプの薬は12時間ごとに飲むことで,効果を一定に保つことができます。また花粉が飛び始める前から服用を始めると,症状の悪化を防ぐことができます。薬の種類にもよりますが空腹時に内服しないと効果が出づらい種類のものや,眠気が出やすい薬もあります。眠気の副作用をカバーするために眠くなっても困らない夕食後にのむという作戦をとるケースもあります。

Q.花粉症で鼻をかみすぎると危険!? やってはいけない鼻トラブルNG行動

正しい鼻のかみ方とセルフケア

鼻水が止まらず何度も鼻をかんでいると鼻の下が赤くなったりヒリヒリしたりすることがあります。さらに強くかみすぎると鼻の粘膜が傷つき,鼻血が出やすくなったり,ときに鼓膜に圧がかかって耳を傷めることもあります。

正しい鼻のかみ方は「片方ずつ、ゆっくりかむ」ことです。両方の鼻を一気にかむと耳に圧がかかってしまい中耳炎を引き起こす可能性があります。また鼻をすする癖がある人は要注意です。これも中耳炎の原因になります。

鼻の負担を減らすためには鼻うがいを取り入れるのも有効です。ただし水道水ではなく,市販の生理食塩水を使いましょう。また鼻が乾燥すると粘膜が傷つきやすくなるため,加湿器を使って部屋の湿度を保つのも大切です。マスクをつけることで鼻の中の湿度を上げる効果もあります。

花粉症の症状を少しでも和らげるためには、薬だけに頼らず生活の中でできる対策をしっかり実践することが大切です。

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