院長コラム

Director's column

いびきで困っていませんか?
呼吸が止まっているといわれたことはありませんか?

睡眠時無呼吸(SAS)について

■はじめに

ご家族やパートナーから「いびきをかいて寝ているよ」と言われたことはありませんか?
中には「なんだか息が止まっているみたい」なんて言われたことがある方もおられるかもしれません。

自分ではなかなか気づくことの出来ない「いびき」ですが,実は日常生活において非常に多い症状です。
あまりにいびきがうるさくて,一緒の部屋で眠るのをいやがられたり,旅行に連れて行ってもらえないなんてお話もチラホラ耳にします。

なかには「いびき」のために眠りの質が落ち,しっかりと時間をとって眠ったはずなのに,昼間の仕事中眠たくてしょうがないなんて症状で困る方もおられます。
こういった症状の中に,「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)」がひそんでいる可能性があります。

2003年に発生した山陽新幹線において, SASに罹患している運転手による深刻な事故の発生で睡眠障害が注目されましたが,その後も2012年の首都高速湾岸線での死傷事故,2014年の北陸自動車道での死傷事故にくわえ,静岡市の身近なところでは2020年11月にも富士宮市の西富士道路での死傷事故がおこっています。
実は我々のすぐそばにひそむ注意すべき病気です。

■いびきを放置したらどうなるの?

誰にもいびきで迷惑をかけることはない,一人暮らしだから困っていない・・・残念ながら,実はそんなに甘くありません。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は単に呼吸が止まるだけ,いびきがうるさいだけの病気ではありません。
実は心臓や脳,体において重要な血管に負担をかけることが広く知られています。SASがあるだけで高血圧症,脳卒中(脳梗塞や脳出血など),狭心症,心筋梗塞など,血管や循環器病を合併する危険が高まることがわかっています。無呼吸回数が多くなるにつれて,つまり重症になればなるほどそのリスクは高くなります。

いびき症状が強い人の中には,こういった病気の非常に高いリスクを抱えている方が含まれていることになります。
非常に大切なことですが,これらのリスクは,治療をきちんと受けることで大きく下げることができる,ひいては長生きできる可能性があることもわかっています。

■いびきは男性だけ? いいえ,女性のいびきも珍しくありません。

いびきというと男性がかくものというイメージが多いですが,実際は男女関係ありません。成人男性の約3~7%,女性の約2~5%にみられるといわれています。
男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方で,女性では閉経後に増加することが知られています。パートナーに対して恥ずかしい,気まずくて旅行にいきづらいと心配する気持ちは男性より女性の方が強い場合もあるかもしれません。

また睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではいびき,呼吸の中断,日中の異常な眠気がよく認められる典型的な症状で注目されやすいですが,女性の場合は,不眠症,起床時の頭痛,疲労感,集中力低下,イライラ感,不安症状などが主症状となり,「うつ」,「不安神経症」,「更年期障害」などの診断がくだされている場合もあることが指摘されています。

このような症状がありいびきを伴っている場合,SASを疑って調べてみると症状改善の助けにつながるかもしれません。

■どうやって診断するの?

当院ではまず,「簡易型睡眠モニター」と呼ばれる装置で,疑わしい人が,どの程度の症状なのか簡易的に検査を行います。

この装置では主に鼻や口での気流,血液中の酸素濃度(動脈血酸素飽和度: SpO2)などを測定します。

装置はご自宅に郵送し,睡眠前にご自身で装着をしていただきます。
測定が終わったら郵送で返却していただき解析します。
ご自宅で簡単に検査ができます。

この検査で無呼吸・低呼吸指数が40以上の場合,簡易型検査のみで診断が可能です。
5以上40未満の場合には,精密検査を行うか相談を行います。精密検査は「ポリソムノグラフィー」(PSG),もしくは「終夜睡眠ポリグラフ」と呼ばれます。

精密検査は,各専門施設によって異なりますが1泊~2泊の検査入院が必要です。
この精密検査では脳波,各種筋電図センサーなどが取り付けられ,無呼吸症状だけではなく,睡眠状態を非常に詳細に解析できます。

■どうやって治療するの?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)にはさまざまな治療方法があります。

口腔内装置(マウスピース)による治療,手術による治療,そしてCPAP(シーパップ)療法などが挙げられ,病状・状況により選択する治療方法は異なります。
口腔内装置は口腔外科・歯科領域,手術やレーザーによる治療は耳鼻科領域で行います。

当院ではCPAP療法の提案が可能です。そのほか生活習慣の改善も合わせて行う必要があります。
生活習慣の改善でSASそのものを治癒させる事は容易ではありませんが,肥満の是正や飲酒状況,睡眠薬の服薬状況などの見直しで治療の補助的役割を果たすことができます。

■CPAP(シーパップ)療法について

CPAP(シーパップ)療法はCPAP装置からホース,装着型マスクを通じて,空気をのどの奥から気管・気管支に,常に一定の圧力をかけて送り込みます。
圧をかけることで,空気の通り道が塞がったり,狭くならないようにして,いびきや呼吸停止を減らします。

睡眠中の無呼吸やいびきが減少すれば,睡眠時無呼吸症候群(SAS)による諸症状の改善が期待されます。
月に一度受診していただき,患者さんお一人お一人のCPAP装置の装着状況や,無呼吸の程度などを解析して説明します。

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大石 敏弘医師
プロフィール

清水第八中学校、清水東高等学校を卒業後、浜松医大医学部に進学。

大学卒業後は、 静岡済生会病院、浜松医療センター、浜松医科大学医学部附属病院、島田市立総合医療センターを経て、再び現在静岡済生会病院にて地域医療に携わる。

糖尿病や甲状腺、高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を専門とし、患者一人ひとりのライフスタイルに合わせた実践的な治療方針を重視している。

現在は当院に非常勤、そして静岡済生会内分泌科として勤務し、日々の診療にあたっている。

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