院長コラム

Director's column

口腔アレルギー症候群って,ご存知ですか?

リンゴやモモ,キウイやメロンなどの果物を食べたあと,口の中がピリピリとしびれたり,のどがムズムズかゆくなったりしたことはありませんか?この症状のことを,口腔アレルギー症候群といいます。

Q.口腔アレルギー症候群って,どんな症状がでるの?

口腔アレルギー症候群は,特定の果物や野菜などを食べた直後から1時間以内(多くは15分以内)に,くちびる,舌,口の中,喉にかゆみ,ピリピリした刺激感や腫れ感などの症状が現れる病気です。症状が強い場合には,鼻水や鼻づまり,目から涙が出るなどの鼻や眼のアレルギーの症状や,さらにひどい場合にはじんま疹や腹痛,嘔吐,下痢などのお腹の症状,息が詰まって苦しい感じなどの症状が出る場合もあります。

もっとも重症の場合には,アナフィラキシーと呼ばれる血圧の低下,意識の低下なども起こる可能性があり,アナフィラキシーでは対応が遅れると命が危険にさらされることもあります。

Q.口腔アレルギーの原因はなんですか?

口腔アレルギー症候群は,花粉症と深く関連しています。花粉症は国民病と言えるくらい患者さんが多い病気です。スギやヒノキの花粉症,そのほか国内には花粉症の原因になる可能性がある植物が60種類以上あるといわれていますが,こういった花粉症患者さんでは,口腔アレルギー症候群が起こる場合があります。

COVID-19診療の手引 第9版より

Q.そもそも花粉症って,どうやってはじまるの?

花粉が体内に入ってもすぐに花粉症になるわけではありませんし,アレルギーになりやすい体質でない人(アレルギーの素因を持っていない人)は花粉症にはなりません。アレルギーになりやすい体質の人(アレルギー素因を持っている)の体の中に花粉が入ると,体はその花粉のことを,体を攻撃してくる敵(アレルゲン)とみなして,この敵に対応するための抗体を作ります。この抗体はIgE 抗体と呼ばれます。スギならスギに反応するIgE抗体,ヒノキならヒノキに反応するIgE抗体といったぐあいに,それぞれの花粉に対して反応するIgE抗体が作られます。それぞれの敵に対してIgE抗体がつくられている状態のことを「感作(かんさ)」された状態といいます。

感作されたらすぐに全ての人が花粉症をおこすわけではありませんが,数年から数十年花粉をあびつづけるとやがてIgE抗体が十分な量になり,花粉が身体の中に入ってくるとIgE抗体が反応し,くしゃみや鼻水,目のかゆみなどの症状が出現するようになります。

Q.花粉症と口腔アレルギー症候群って,どう関係するの?

花粉症を起こす原因物質であるアレルゲンと,果物や野菜の中の成分の一部が,とてもよく似ている場合があります。あまりに似ているため花粉に対してつくられたIgE抗体が,まちがって果物や野菜の成分に対して反応してしまった結果,花粉だけでなく,似た成分をもつ果物や野菜にまでアレルギー反応が起こってしまう,この状態が口腔アレルギー症候群と考えられています。口腔アレルギーが起こると,果物や野菜を口にしたときに口がしびれたり,ムズムズしたり,かゆくなったりするわけです。

Q.どの花粉とどの果物が似ているの?

最もよくおこるのが,「シラカバ・ハンノキ花粉症」です。

この花粉症をもっている方は,

バラ科の果物(リンゴ,モモ,ナシ,アーモンド)

セリ科の野菜(セロリ,ニンジン),マメ科(大豆や豆乳,ピーナッツ)などを口にすると症状が出現します。

そのほか,「スギ・ヒノキ花粉症」では,

ナス科(トマト)に反応することが有名です。

「イネ花粉症」では,

ウリ科(メロン,スイカ),マタタビ科(キウイ)

「ヨモギ花粉症」ではセリ科(セロリ,ニンジン),ウルシ科(マンゴー),スパイスにも反応が見られる場合があります。

もちろんその他の花粉症でも口腔アレルギー症候群が起こりますので,花粉症の原因を検査して,口腔アレルギー症候群を起こす可能性がある果物や野菜を知っておくことが大切です。

 

Q.花粉症がなければ,起きないってことね?

すこしややこしいですが,口腔アレルギー症候群は花粉症がない人にも発症します。特に気管支喘息がある人,ラッテクスアレルギー(ゴム手袋アレルギー)の人は発症する可能性が高いことがしられています。

なかでもラテックスアレルギーのある方の半数近くで,ラテックスのアレルゲンと似た成分をもつバナナ,アボカド,キウイ,クリなどを食べたときに,蕁麻疹やアナフィラキシーの報告があります。

Q.どうやって対策するの?

果物や野菜をたべて口がピリピリするなどの症状がある方は,アレルギー専門医の外来に受診してください。アレルギーの原因となる食物を確認し,基本的には症状がでる食べ物を避けることをおすすめします。ただし口腔アレルギーを起こす果物や生野菜のアレルゲンは熱を加えることで変形して,IgE抗体が反応しなくなる場合があります。つまり加熱することで症状がでなくなることも期待できるということです。対応は症状の程度や出かたによっても少しずつ調整する必要がありますので,くわしくはアレルギー専門医にご相談ください。

 

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大石 敏弘医師
プロフィール

清水第八中学校、清水東高等学校を卒業後、浜松医大医学部に進学。

大学卒業後は、 静岡済生会病院、浜松医療センター、浜松医科大学医学部附属病院、島田市立総合医療センターを経て、再び現在静岡済生会病院にて地域医療に携わる。

糖尿病や甲状腺、高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を専門とし、患者一人ひとりのライフスタイルに合わせた実践的な治療方針を重視している。

現在は当院に非常勤、そして静岡済生会内分泌科として勤務し、日々の診療にあたっている。

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