院長コラム

Director's column

2023~2024年 冬の感染対策について

現在インフルエンザの感染が流行しているのはご存知の通りです。

静岡市内の保育園,幼稚園,小中高校でも学級閉鎖が相次いでいます。さら季節外れの咽頭結膜熱(プール熱)や,溶連菌感染症が例年になく増えていることもニュースになっています。

さらに最近はまたすこしずつコロナ感染症も陽性者がふえているだけでなく,海外ではマイコプラズマ肺炎が流行していることも話題です。2023~2024年の冬の感染症流行はどうなるのでしょうか。

Q.いろんな感染症の「今」

国立感染症研究所HP(https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-latest/2620-2023/12393-idwr-2023-47.htm)

全国の指定医療機関から報告された5類感染症の定点報告数の一覧(表右側)と,過去5年間の第47週(11月20~26日)と比較(表左側)です。

例年と比べて,特にインフルエンザと咽頭結膜熱(プール熱)が突出して増えていることがわかります。

現在のインフルエンザの報告数は28で,10で注意報レベル,30で警報レベルなので,かなり多いです。例年11月はインフルエンザが少しずつ出始める時期ですので,すでに警戒レベルに近いのは今年の大きな特徴といえます。

 

左の表はインフルエンザの報告数です。

青いバーが今年の定点報告数値,緑のラインが過去5年間の平均値ですが,今年は平均をすでに大きく上回っており,コロナ感染症が始まる前とは常識が変わってきています。

Q.そういえばコロナってどうなっているの?

コロナウイルス感染症は,8月末~9月頭にかけてピークを超えて,現在は定点あたり報告数2程度と,ピーク時の20から大きく下がって推移しています。少し気になる点としては,11月後半からじわじわと増加している点です。たしかに当院で診療している患者さんの中でも,インフルエンザ一辺倒だったころから,少しずつコロナウイルス感染症陽性の方が増えてきている印象です。

この数年間底ばいの状態から増加に転じた場合はそのまま増加して流行期に入っているため,この年末にふたたび新型コロナの波がやってくるかもしれません。

タイやインドネシア,シンガポールではコロナウイルス感染症が再び増えており,特にシンガポールでは3万2035人の感染者が発生し,前週(2万2094人)より約50%増え,一日平均入院件数も136件から225件に増加したというニュースも出ています。重症化が増えているというニュースではないため,必要以上に恐れるのは好ましくないですが,人からもらっても,うつしても嬉しいものではありませんし,実際に感染が学校や職場で広がると日々の生活に大きな影響がでますので,感染拡大には注意していきましょう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f225ec747b736658183a47a211dcb2c2d943ce4e

 

Q.感染対策は何か変わるの?

基本的な感染対策は,なーんにも変わりません。

できる範囲で継続するのが望ましいでしょう。「できる範囲」はその時の状況ごとに変わります。

流行が落ち着いているときには,自由にすごして良いと思います。

それでも今のように流行が広まりつつあるときには,日々の手洗い,混雑した屋内では換気や可能ならマスク着用,人混みを避けるといった工夫は,自分の体や家族の体をまもることにつながります。

学校や職場ではやったら,せっかくの冬休みがつまらなくなってしまったり,休んだ人の分まで仕事が増えたりするかもしれません。

自分の生活を守るためにも,ぜひご自身の感染対策を見直してみてください。

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